日本がベーシックインカムを導入すべき三つの理由

今回は、最近僕が関心を寄せているベーシックインカムに関してです。

 

ベーシックインカム(BI)とは、国民に対して一律に一定額のお金を給付する社会保障制度を指します。一言で言うと、お金をバラまくということです。

 

フィンランドで2017年1月に、導入実験が始まっていて、先日インド政府でも検討が進んでいるという記事を読みました。

シリコンバレー等のAIによる技術的失業を肯定する人々の中では、新しい経済における社会保障制度として指示が集めています。日本でもホリエモンこと堀江貴文氏が支持していることなどから、耳にする機会が増えているかと思います。

テック業界では、AIによって仕事がなくなり、その代わりに人々の所得を保障するための制度としてBIを提唱する人が多いかもしれません。

僕が指示する理由は以下の三つ。

  1. BIによって仕事を再定義し、「遊び」や「やりがい」の要素を取り入れることができる。
  2. 実現可能で、わかりやすい。
  3. 日本の労働人口減少問題に対応する社会制度である。

より詳しく説明してみます。

 

BIによって仕事を再定義し、「遊び」や「やりがい」の要素を取り入れることができる。

社会によって所得が保障されていたら、人々はどうするか?仕事をどう捉えるようになるか?

もっとやりがいのある仕事に移行していくのではないか?

お金という制約がなくなったら、自分がより情熱が持てる仕事をするのではないでしょうか。お金の理由で諦める必要がなくなるのですから。

また、短期的にはお金を稼げなくても、やりがいを持って継続的に取り組んでいれば大きなイノベーションが生まれることがあるかもしれない。そういう可能性も秘めていると思うのです。

 

お金を保証されているのであれば、働かなくなるのでは?人々の生活は堕落するのでは?

働かなくなるかもしれません。でも、お金が保障されている場合、人々は「遊ぶ」ことに専念するかもしれない。新しい遊びが生まれ、そこにビジネスチャンスが生まれるかもしれない。例えば、元サッカー日本代表中田英寿氏は引退後日本各国を旅し、日本酒を勉強し、イベントを開いたりしています。そんなイメージですかね。

確かに、人々が働かなくなる可能性は否定できません。

僕は人間は本質的に仕事を求めるものであり、長期的には堕落していくことはないと思っていますが。

フィンランドの社会実験の結果がなんらかのヒントを導いてくれるかと思います。(僕は日本でも地方自治体で実験するなどしてみてもいいのにと思っています。)

 

実現可能で、わかりやすい。

こんな幼稚な政策、実現できないだろう。財源は?社会主義?そんな声が聞こえてきそうです。

しかし、よく考えてみれば財源は増税赤字国債を実現してでも実施すべきであれば実施すべきではないか。

また、国が使ったお金は究極的には誰かの手に渡り、世の中に流通する。世の中を流通したお金は税金など様々な形で政府に戻ってくることもある。消えるわけではない。ここで、財政をあたかも個人の財布のように考えて支出が増えればお金が消えて無くなってしまうと考えると誤解が生じるかと。

また、井上智洋氏は『人工知能の経済の未来』で面白い試算をしています。

  • 一人月7万円の給付が極度のインフレなしに実現するとしたら、全国民の給付の総額は100兆円になる。
  • BIは他の基礎年金・児童手当・雇用保険生活保護などを代替するので、およそ36兆円を100兆円から差し引き、新たに64兆円の財源が必要である計算ができる。
  • ここで、所得税で64兆円を調達するとする。日本人の総所得は250兆円。よって、25%の率の所得税を新たにかければ捻出できる。
  • BIの受取額を所得税の増分から差し引いた考えると、一人暮らしの年収ちょうど336万円の人は税額が受取額と同じになり、損も得もなくなる。
  • また、多くの子育て世帯はBIにとって恩恵を受けることができる。たくさん産み育てていくことが得になってくる。

上記の例だと、年収336万円までの人々は受取額が税負担を上回り、得をするという構図になる。つまり、財源の確保の仕方をうまく設計することで国民への負担をコントロールすることができる。

 

また、何と言っても、国民にとってわかりやすい!お金をバラまくだけだから。日本人の政治家への信頼度は国際的に比較して相当低いそうです。つまり、透明度の高い政策が求められているのです。

 

日本の労働人口減少問題に対応する社会制度である。

人口政策について。BIは国民一人当たり、一定額の給付を行うので一世帯あたり受け取り給付額は家族が多いほどもらえる。

所得税増税によってBIの財源を確保する場合、子供を産むインセンティブになる、という理論です。

まあ、所得税によって賄うことが前提になるのですが。ここはすこし、飛躍しているかもしれませんね。

 

しかし、日本の労働人口が不足していることは確かなことで、AIによって作業の効率化を図ることは必須かと。そこで、漏れてしまった国民に対して所得を保障する制度としてBIが検討されるべきかと思います。また、高齢化先進国である日本はAI等を積極的に導入する環境が整っていると思うので、BI等の社会的環境を整えて世界に先駆けるべきかと。

 

以上3点でした。

BIの議論、誰かとしたい笑

そして、もっとマクロ経済学的視点で議論できるようになりたい。誰か教えて下さい。